オルリスタットの効果
オイダスの成分であるオルリスタットは、食事から摂取される脂肪の吸収を抑制する効果があります。
- トリグリセリド吸収の阻害: オルリスタットは、食事中の脂肪(トリグリセリド)の一部を未吸収のまま排泄させることで、体内への脂肪吸収を制限します。
- リパーゼとの相互作用: 腸内の主要な脂肪分解酵素であるリパーゼと相互作用することで、オルリスタットは脂肪の分解を妨げ、未エステル化脂肪酸やモノグリセリドの生成を抑制します。
体内に取り込まれる脂肪の量が減少
オルリスタットの効果により、エネルギーとして蓄積される脂肪の量が抑制され、体重の減少が促進されます。
摂取された脂肪が一部が吸収されずに排泄されることで、カロリー摂取が制限され、減量をサポートします。
オイダスによる食事脂肪吸収阻害
臨床試験による食事脂肪吸収阻害効果について、糞便脂肪排泄量を用いて測定では、下記のように報告がされています。
活性は用量依存的であり、120mgの用量で約30%の阻害がみられ、400mg t.i.d.以上の用量では約35%の阻害でプラトーとなる。臨床試験では、1日目の脂肪排泄量は約2.6g/24時間であったのに対し、オルリスタット120mg t.i.d.投与1年後の脂肪排泄量は23g/24時間であった。無作為化から52週終了時までの72時間脂肪排泄量の平均変化は、オルリスタット60mgおよび120mg t.i.d.投与後で、それぞれ15.4±12.1gおよび20.9±15.1gであった。
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すなわち、オルリスタットを使用した患者グループでは、平均して1日あたり15.4グラムから12.1グラム(標準偏差)および20.9グラムから15.1グラムの脂肪が排泄されるようになり、これは、オルリスタットが脂肪吸収を抑制したことを現しています。
通常、摂取された脂肪は一部が体内で吸収され、利用されるかエネルギーとして蓄積されます。
しかし、オルリスタットの投与により、吸収される脂肪量が減少し、その結果として脂肪が便として排泄される量が増えたことを示しています。これが体重減少の一因とされています。
オルリスタットの用量反応試験と臨床試験による体重減少効果
オルリスタットの有効性と安全性を調査するために実施された臨床試験です。これらの試験は、用量反応試験(第II相臨床試験)および長期の第III相臨床試験に分類されます。
用量反応試験では、異なる用量のオルリスタットが比較され、長期の臨床試験ではオルリスタットの長期使用における効果が評価されました。
これらの試験は、オルリスタットが体重減少にどのように寄与するかを明らかにするために実施されました。
試験概要
- 2~6ヵ月の4つの用量変更試験(第II相臨床試験)と7つの長期(1~2年)の第III相臨床試験が行われました。
- 包含基準ではBMI値が28~43kg/m²とされ、有効性の基準は体重の変化でした。
試験基準
- 低カロリー食またはユーカロリー食と組み合わせたオルリスタットの有効性が主要な基準でした。
- 副次的有効性基準には脂質や代謝関連の因子が含まれていました。
食事療法
- ランイン期間および治療開始後1年間は、約30%の脂肪からのカロリーを含む軽度の低カロリー食が処方されました。
臨床試験結果
- 体重減少の有意な効果: 1年間の治療期間終了時、オルリスタット使用者は平均して6.1kgの体重減少が見られました。これに対し、プラセボ使用者では2.6kgでした。この差は統計学的に有意でした(p < 0.001)。
- 10%以上の体重減少: オルリスタット治療後、患者のうち20.2%が10%以上の体重減少を達成しました。これに対して、プラセボ群では8.3%でした。この違いも有意であり、オルリスタットがより大きな体重減少をもたらす可能性が示唆されました。
オイダスには10%の体重減少効果
オルリスタットは、食事から摂取される脂肪の吸収を抑制することで、体重減少を促進する薬剤です。
その作用機序は、主にリパーゼと呼ばれる消化酵素との相互作用によって未吸収の脂肪を排泄させ、脂肪の体内吸収を制限します。
臨床試験では、オルリスタットの有効性が明らかにされました。異なる用量のオルリスタットを比較した用量反応試験や、1~2年にわたる長期の第III相臨床試験が行われ、その結果、オルリスタット使用者はプラセボ群に比べて有意な体重減少を示しました。
特に、オルリスタット治療後に10%以上の体重減少を達成した患者が増加したことも確認されました。
オルリスタットの効果は、摂取された脂肪の一部が未吸収のまま排泄され、これによって体内に蓄積される脂肪の量が減少することによるものです。これが、カロリー摂取の制限となり、体重減少に寄与します。
総じて、オルリスタットは脂肪吸収の抑制を通じて体重管理をサポートする効果が期待され、臨床的にも有効性が確認されています。